〜都和の女将がご案内する〜知られざる京都の路地(ろおじ)めぐり
京都の魅力は観光名所だけではありません。
むしろ、本当の京都、この町に暮らす人たちが大切に守り続けてきたものは「ろおじ」に潜んでいます。
京都人は「路地」と書いて「ろおじ」と読みます。
これは京ことばの一つで、なんでそう言うのかは私も知りません。
昔から、そういう決まりになってるんです。
路地は細い道です。
そやけど、その奥には有名な観光スポットとは違う、歴史ある街京都ならではの物語に満ちた、もう一つの魅力が潜んでいるのです。
そんな「ろおじ」にまつわる物語を、この町で育った私がご紹介します。
ろおじ その壱
「東中筋通と天使突抜」
~傲慢で横暴な豊臣秀吉に対する、京都人のささやかな復讐~
都和の前を南北に走っているのは東中筋通。
京都の町は、平安京が作られた1200年ほど昔から、基本的に南北と東西の通で構成されています。
ただ東中筋通ができたのは1590年のこと、豊臣秀吉が行った『天正の地割』で新しく作られました。
都和の前の一方通行の道を北に向かっていくと、最後は細いろおじになって道がなくなります。
ちょっと30分ほどお散歩してみましょう。
その途中には、牛若丸と弁慶に関わりの深い場所もあります。
まず、通りをまっすぐ北に向かいます。
一筋目を越えたあたりで町名表示を探してみてください。
そこには「天使突抜4丁目」と書かれているはず。
さて、この町名を読めますでしょうか。
これは「てんしつきぬけ」と読みます。実はこの町名には、東中筋通が作られた歴史が込められているんです。
さらに北へ上がりましょう(ちなみに京都では通りを北に向かうことを「上がる」、南に向かうことを「下がる」と言います)。
車がたくさん走る五条通には横断歩道がないので、いったん左(西)に一筋進んで油小路で信号を渡り、右へ向かって東中筋通に戻ります。
天使突抜2丁目で万寿寺通を超え、1丁目で松原通りに出たら、右手(東)に進みます。
その先の少し広い通りが西洞院通、ここで少し南に下がると五條天神社があります。
「天使突抜」という変わった地名には、この神社にちなんだ物語が秘められているんです。
五條天神社は、平安京遷都と同時に空海が勧請したと言われる歴史ある神社、当初は「天使の宮」と呼ばれていました。
そこに祀られているのは、古くから京都の人たちに愛されてきた、大切な神様です。
ところが、この由緒正しい神社のど真ん中に道を通してしまった人物がいます。
その横暴な人物こそ豊臣秀吉です。
天下統一を成し遂げて、意気揚々と京都に乗り込んだ秀吉は、自分の思うままに京都の町を作り変えようとしました。
今で言う都市再開発のようなものでしょう。
その一環として作られたのが東中筋通。
北から南に向かって一直線に道を通すために、五條天神社の境内を突っ切るような道を作ったのです。
罰当たりにも程があるというもの。
五條天神社は、地元の人に「天使社」と呼ばれて愛されてきた神社です。
その真中を突き抜くとんでもなく失礼な道、だから京都人は秀吉に対する皮肉を込めて「天使突抜」と呼んだのです。
ちなみに、松原通にあるにも関わらず「五條」天神社と呼ばれる理由は、今の松原通が平安時代の五条通だったから。
牛若丸と弁慶が出会ったといわれる五条大橋とは、松原通りを東にまっすぐに進んだところにある今の松原橋のことです。
ただし「京の五条の橋の上」で二人が出会ったというのは後の作り話らしく、実際に二人が逢ったのは五條天神社の境内だっとと言われています。
今は少し殺風景な神社の中ですが、こんなところにも意外な歴史が隠されているのが、京都のおもしろいところです。
さて、東中筋通をさらに北に向かいましょう。
すると道はどんどん細くなり、高辻通を越えると、本物の路地になります。
石畳のろうじの真ん中あたりで少し立ち止まり、いにしえの世界に、しばし心を遊ばせてみてください。
路地の突き当り、仏光寺通で散策を終えたら、西に向かってみましょう。
仏光寺通と油小路通のぶつかるあたりには、いかにも京都らしい隠れ家的なご飯屋さんが3軒集まっています。
油小路を下がったところにある料理「秦家(はたけ)」さんは、一日一組限定でお客さんを取るお店。
旬の食材を、ていねいに引いたお出汁で調理した京風和食を、縁側のある京都の町屋でいただきます。
油小路を北に向かえば、同じく町屋で高級中華をいただく「町屋四川星月夜」さんがあり、仏光寺を西に入ると、地元の食通が通う昔ながらの焼肉屋「藤むら」さんがあります。どこも美味しいおすえ。
↑藤むら
↑星月夜
↑秦家
京都 de メキシカン
はじめまして。なごみ宿都和サービスの赤井です。
今回は私がブログを書いていきたいと思います。女将さんのようなブログを書きたかったのですが、女将さんほど京都や旅館に詳しくない、、、汗 となったので、今回は私のお気に入りのメキシコ料理屋ラホヤについて紹介します!ラホヤは京都市営地下鉄の烏丸御池駅より徒歩3分!!うちの旅館からは最寄り駅の京都駅から地下鉄で3駅です。カリフォルニアン メキシカン グリル La Jolla(ラホヤ) の名前はカリフォルニア州のサンディエゴにある地名から名付けられたそうです。オーナーシェフが20代の頃 訪れたのをきっかけにメキシカンフードをはじめその街が好きになったそうです。それから、メキシカンフードを日本で紹介したくなり1995年にOpen しました。実は私も学生の頃メキシコの北にあるニューメキシコ州に滞在していた経験があり、それがきっかけでメキシコ料理がかなり好きになりました。日本に帰ってきてメキシコ料理が恋しいなぁと思っていたところ、京都で知り合ったお友達にラホヤを教えてもらいました。
初めてラホヤに行った時、すごく懐かしい気分になり、海外で行ったメキシコ料理屋さんが思い出されてきました。まず注文したのはナチョス♡ナチョスLOVEです(笑)ナチョスとはトルティーヤコーンにチーズ、鶏肉と牛肉の挽肉、チリコンカン、ハラペーニョなどをトッピングしオーブンで焼いたもの。スナック感覚でどれだけでも食べれちゃいます。ナチョスを食べる国の方は映画やスポーツ観戦しながらナチョスを食べたりもします。日本でいうポップコーン的な感じですね。それから、タコス!!タコスはメキシコ料理に詳しくない方でも聞いたことがあるのではないかと思います。トウモロコシ粉を薄焼きにしたトルティーヤに挽肉、レタス、チーズ、サルサソース、フライドビーンズなどを挟んだもの。ラホヤさんにはお魚やエビをまいたタコスもあります。そして最後にエンチラーダ!エンチラーダはトルティーヤに牛肉やチーズをまき、肉汁から作られたソースをかけてオーブンで焼いたものです。こちらもすごくおいしー!!
皆さん少しでも興味を持ったらラホヤに行ってみてください。きっと楽しめるはずです。店内もメキシコらしいビビットカラーが使われており、陽気+元気な気分になれるお店です。
以前から京都は外国の観光客の方が多いなぁと感じていましたが、ここ2,3年でさらにグッと増えたなぁという印象があります。日本の方にはもちろん、外国の方が日本に来てふと外国の料理が食べたくなったとき等にもここラホヤを案内してあげたいと思います。今回はこんな感じになってしまいましたが、次回の為にもう少しブログのネタ集めや勉強をしていきたいと思います!!これからもよろしくお願いします!!
【店舗情報】
なごみ宿都和の最寄り 京都駅から3駅で烏丸御池駅
- 電話 075-708-2006
・営業時間 火曜日から日曜日 17:30 - 23:00 (l.o. 22:00)
水曜日から土曜日 12:00 - 14:00, 18:00 - 23:00(l.o. 22:00)
定休日 月曜日、第3火曜日
・ホームページ http://www.lajollagrill.jp/
・私のおすすめ商品 ラホヤナチョス 1080円 通常のナチョスはコーンチップスにチリコンカンとチーズがのったものですが、こちらはそれ+ワカモレがのっていてボリュームがあり満足できる1品です(^◇^)
京都の節分
私らは何をするのもまず暦をみてから決めます。
例えば土用に家は建てません。
土をさわったらあかんのんどす。
それに呉服屋さんは絶対に仏滅には納品しはりません。
高島屋さんも百貨店やのに大きいお買い物の納品は仏滅は必ず避けはります。
暦を見て、ええ日悪い日、何かをしたらあかん日を守る。
これが大事どす。
この気遣いが京都やと思います。
そうして暦を確かめ、一年を季節を感じて過ごすのんが好きなんやと思います。
その暦の中でも節分は立春の前日。
文字通り節目の日どす。
京都には節分会追儺式を行われるお寺がぎょうさんあります。
これを見に来るお客様も多いとか。
嬉しいことどす。
今回はこないだ見せてもろた壬生寺さんやご縁のあるお寺さんのお話をすこぉし。
吉田さんは神社なので節分祭 壬生寺さんはお寺やさかい節分会(せつぶんえ) 神さんと仏さんではちょっと呼び名も変わるんどす。
なんとのうお祭りっぽいのんが神社でしょうか。
屋台が出たりしてお人がぎょうさん行かはります。
また御所から見て 吉田さんは表鬼門 壬生寺は裏鬼門 となるため自然とこの2か所が重要とされたのでしょうか。
京都では昔から鬼門も大事に関わります 厄払いの意味も込めた節分ですさかい余計と重要な場所やったんどすねぇ。
壬生寺は壬生狂言が有名ですがこれを演じられる方々は役者さんでもなんでもなく信者さんやそうです。
一子相伝ではありませんがそうして伝えていかれるんやとか。
皆で守っていく、皆でのちの人に伝えていく これこそが京都の文化であると思います。
こんにちそういう事の少なくなった世の中で 「これだけは守ってきたい」という副住職様のお考えがようわかりました。
そんな風にして守られた壬生狂言が世界中で人気。
東京では販売日に即日完売やったそうどす。
こうして皆様が京都をいつくしんで下さる。
実はよそさんにも守られてるんどすなぁ、京都て。
ほんまに有り難い事どす。
ちなみに今年は「京の冬の旅」でこの壬生寺さん、特別拝観できるんやそうです。
先日私も入らせてもらいました。
しんとした御本堂の中のお地蔵様のお優しいお顔。
ぜひぜひ皆様ご覧ください。
都和にもご縁のある六波羅蜜寺さんでも節分追儺式は執り行われます。
魔(ま)と滅する(め)からきたと言われる豆まきが本堂で行われますがこちらでは「ふくかっこめ」と言ってお豆さんをまきます。
このお言葉私は大好きどす。
今年もぎょうさん福に恵まれますように。
皆様に広く知られる春分や夏至の他に二十四節気と称される節目が一年のうちにあります。
その殆どを守るのは困難ですが「そういえば今日はこの日やった」と思い出して 何事かをするのもええかもしれません。
12月28日の御用納めだけは私ら守れしませんけど(笑)
京都のお正月と宿の準備
京都には一年中、いろんなしきたりがあります。
年末で大事なんは、12月13日の『事始(ことはじ)め』。
この日には、祇園のきれいどころ、芸姑はんや舞妓はんが「おことうさんどす〜」と言いながら、 日頃お世話になっているお茶屋さんやお師匠さんのところに、年末のごあいさつに行かはります。
うちでも、この事始めの日から、お正月の準備を始めて、お飾りを用意します。
ところで、12月といえば、最近は京都でも クリスマスのデコレーションをぎょうさん見かけるようになりました。
前にアメリカ駐日大使さんが年末に京都に来はった時も 「京都なのにクリスマスのイルミネーションばかり。お正月の飾りはないのね・・」 とおっしゃったそうです。
その一方でお正月のお飾りが減るのは、寂しいことです。
そやし、うちらが気張らなあかん思てます。
京都のお正月には、決まり事や作法がいっぱいあります。
けど、逆に考えたら楽なんです。
これだけしといたらええのやと、やらなあかんことがわかってますから。
これせんとあかんねん。
それはお値段高うなるけど、入れんとしゃあないしなぁ。
邪魔くさいけどせんとあかん こういうの、結構京都の人は意外に好きなんえ(笑)。
さて、事始めの12月13日、 うちではその日から、お正月のお花やらお餅の算段やらを始めます。
都和では表(玄関のことです)に『松の根引き松』を飾ります。
しっかり根をはってこれからも成長し続けるように。 そんな想いを込めて飾ってます。
また、お正月といえばお節料理やお雑煮。
これは、どの地方にも特徴があって面白いですね。
京都のお雑煮は白味噌のお汁に丸餅が決まり。
あとは祝い大根とお芋さんを入れます。
ただ、京都人でも好みがいろいろあります。
うちの社長は京都から出たことのない人ですけど、 白味噌のお雑煮より、おすましの方が好きやそうです。
さて、うちの家族のお正月の話を少し。
うちの元旦は、六波羅蜜寺さんの 『皇服茶(おうぶくちゃ=大福茶)』を飲んで始まります。
この皇服茶には、梅干しと昆布が入ってます。
大事なんは、この梅干しです。
ご存じない方もいはるそうですが、飲んだあとの梅干しの種をお財布に入れとくと 一年中、お金に困らへんて言われてます。
そやから、私のお財布の中の梅干しの種は毎年更新されます。
おかげさんで、何とかお金には困らんように暮らせてます(笑)。
そのあとは六波羅に御参りをしてお飾りをいただいて帰ります。
最近は、初詣に京都に来られるお客さんが増えてきました。
六波羅蜜寺さんは、都七福神のお寺やし、境内で皇服茶もいただけますから 来年のお正月は、ぜひここで福を分けてもろてください。
都和も年末年始は、お客様がぎょうさん来てくださるので大忙し。
お餅を食べる暇もないぐらいなので、 うちらは毎年、お正月が終わってからお餅を食べ始めます。
お鏡さんはお三が日が終わったら4日にはおろして切り分けます。
うちのお餅は毎年、京都の幸福堂さんというお餅やさんでいただいています。
こちらのお鏡さんはものすご美味しいんどす。
おかげで私は毎年、お正月あけてから太りますけど(笑)。
※幸福堂 http://www.ko-fukudo.com/
また1月はお外で晩ごはんをいただく機会も増えます。
最近のお気に入りは祇園佐橋さん。
私がワインを勉強したいと初めて感じたレストランがあるんですけど、 そこでソムリエをなさってた方が祇園町で出されたお店です。
お料理も美味しいのでぜひおすすめ。
※祇園佐橋 http://gion-sahashi.net/
ソムリエといえば、先日寄せていただいた 祇園びとらさんのソムリエさんも秀逸でした。 機会があればぜひまたお話しを聞きに行きたいです。
こう見えて、私も実はソムリエなんです。
今年はワインの勉強も兼ねて、どんどんお出かけしたい思てます。
決して、自分が飲みたいわけやおへんえ。
ええお店、いっぱい見つけて、ご紹介せなあきませんから(笑)。
ここさえおさえれば旅館はもっと楽しい。上手な旅館の使い方、そっとお教えします。
京都に来るからには旅館に泊まってみたい……。
そんなふうに考えてくれはる方が増えているとか。
ほんまに嬉しいです。
せやけど旅館って、なにやら難しいとお感じの方もいはるとか? そんなことまったくないのになんでやろ。
思い当たる節のない私はサービススタッフに聞いてみました。
すこぉしみえてきた、 お客さんの『どきどき』やら『そわそわ』を紹介したいと思います。
お部屋に入ったとき、どうすればいいの?
都和にお越しのお客様には、 ロビーでお抹茶を召し上がっていただいてから、お部屋にご案内します。
ドアを開けて、お靴を脱いで畳のお部屋に上がると、 座卓(テーブルですね)に座布団が目に入るはず。
その後、室内のご説明をさせていただくために、スタッフも室内までご一緒すると 「おおっ!スタッフさんが部屋まで一緒に入ってくるのか」と驚かれることも。
お客様が恋人同士だったりすると、男性からの“緊張してないぞオーラ”を感じたりします。
まずい!緊張させてる!と察したスタッフは、 すぐに「どうぞそちらにおかけくださいませ」と促します(ま、これは別に緊張されてなくても申します)。
私も自分がよそで泊まるときは、大概ホテルですので旅館との違いはよくわかります。 旅館では、お客様とスタッフのご一緒する時間と空間がとっても多いんです。
最初はちょびっと違和感ありますよね?
でもこれがそのうち、なんとのうええやん と感じてもらえるようになるのです。 (なるように私たちが頑張るのです)
会席料理が運ばれてきた! これっていつ食べ始めたらいいの?
都和では、お夕食は会席料理をお客様の客室にお運びしております。
「えぇっ! たったひと皿! 全部揃うまで待つのかな? でも何だか次は来そうにないぞ……」 ブログをお読みのあなたが、 このシチュエーションでどきどきしている男性だと想像してください。
私かて変な緊張で胃がおかしくなるかも。
でもご心配なく。
私どものスタッフが「どうぞお始めくださいませ」と声をおかけします。
お献立に、お料理の内容は書いております。
もし何か、ちょっとでも尋ねたいことがあったら、どうぞ遠慮なくお声かけてください。
さぁ、食事が終わった!でもお布団はどうすればいいのか……
誰が布団を敷くんだろう?
おれには無理だぞ、そもそも布団で寝るなんていつ以来だ…… こんなささやきが聞こえてきそうな瞬間があるそうです。
なにも心配いりません。
お食事が終わられたらお床のご準備はこちらで致します。
お客様はただ眠るだけ(^^) おやすみやす~
今回はまず、旅館に来られた初日のどきどきについて書いてみました。
旅館が緊張するなんて、なんでやろ。
私には不思議でしたが、こうして文章にしてみるとようわかりました。
うちらには当たり前のことでも、 旅館を知らないお客様には、いろいろ驚かれることがあるんですね。
日本では、お靴を脱いで上がる瞬間に親しさが増します。
お友達のおうちにおよばれしたら、 なんやしらんものすご仲良うなった気分がした覚えありませんか?
やっぱり靴を脱ぐという動作には、特別感や開放感があるんやと思います。
「それやのに僕らだけと違って、 なんで今日初めて会うたスタッフさんまでいんの? 僕の靴下見えてるし。私のタイツ見られてるやん」 ここがまずもって違和感を感じ、それが緊張につながるんではないでしょうか。
そうやとしたら、 お客さんが出発されるまでに、私らがなんとかせんと駄目ですねぇ。 頑張らねば。
次回は翌日の『そわそわ』や『はてな』を紐解きたいと思います。