京都の節分
私らは何をするのもまず暦をみてから決めます。
例えば土用に家は建てません。
土をさわったらあかんのんどす。
それに呉服屋さんは絶対に仏滅には納品しはりません。
高島屋さんも百貨店やのに大きいお買い物の納品は仏滅は必ず避けはります。
暦を見て、ええ日悪い日、何かをしたらあかん日を守る。
これが大事どす。
この気遣いが京都やと思います。
そうして暦を確かめ、一年を季節を感じて過ごすのんが好きなんやと思います。
その暦の中でも節分は立春の前日。
文字通り節目の日どす。
京都には節分会追儺式を行われるお寺がぎょうさんあります。
これを見に来るお客様も多いとか。
嬉しいことどす。
今回はこないだ見せてもろた壬生寺さんやご縁のあるお寺さんのお話をすこぉし。
吉田さんは神社なので節分祭 壬生寺さんはお寺やさかい節分会(せつぶんえ) 神さんと仏さんではちょっと呼び名も変わるんどす。
なんとのうお祭りっぽいのんが神社でしょうか。
屋台が出たりしてお人がぎょうさん行かはります。
また御所から見て 吉田さんは表鬼門 壬生寺は裏鬼門 となるため自然とこの2か所が重要とされたのでしょうか。
京都では昔から鬼門も大事に関わります 厄払いの意味も込めた節分ですさかい余計と重要な場所やったんどすねぇ。
壬生寺は壬生狂言が有名ですがこれを演じられる方々は役者さんでもなんでもなく信者さんやそうです。
一子相伝ではありませんがそうして伝えていかれるんやとか。
皆で守っていく、皆でのちの人に伝えていく これこそが京都の文化であると思います。
こんにちそういう事の少なくなった世の中で 「これだけは守ってきたい」という副住職様のお考えがようわかりました。
そんな風にして守られた壬生狂言が世界中で人気。
東京では販売日に即日完売やったそうどす。
こうして皆様が京都をいつくしんで下さる。
実はよそさんにも守られてるんどすなぁ、京都て。
ほんまに有り難い事どす。
ちなみに今年は「京の冬の旅」でこの壬生寺さん、特別拝観できるんやそうです。
先日私も入らせてもらいました。
しんとした御本堂の中のお地蔵様のお優しいお顔。
ぜひぜひ皆様ご覧ください。
都和にもご縁のある六波羅蜜寺さんでも節分追儺式は執り行われます。
魔(ま)と滅する(め)からきたと言われる豆まきが本堂で行われますがこちらでは「ふくかっこめ」と言ってお豆さんをまきます。
このお言葉私は大好きどす。
今年もぎょうさん福に恵まれますように。
皆様に広く知られる春分や夏至の他に二十四節気と称される節目が一年のうちにあります。
その殆どを守るのは困難ですが「そういえば今日はこの日やった」と思い出して 何事かをするのもええかもしれません。
12月28日の御用納めだけは私ら守れしませんけど(笑)